先回のブログのサルコペニア(加齢に伴う筋委縮と筋力の衰え)でお話ししたように、年を取ると、筋細胞がアポトーシスという細胞の死に方で死ぬので筋細胞の数が減り、筋肉が細くなります。これは、筋肉が傷害・破壊されて筋細胞が死ぬのではなく、年齢が来て自然に死んでいくのです。
実は、細胞の死に方には、大きくアポト-シスと壊死の2通りの死に方があるのです。
オタマジャクシがカエルになる時、尾っぽは自然に無くなります。
夏に青々としていた葉っぱは、秋になると枯れて、自然に散っていきます。
確かに自然に尾っぽの細胞が死に、自然に葉っぱが枯れて死ぬのですが、実は、ちゃんと、 “カエルに変態する時に死ぬ”、“秋になったら死ぬ”と細胞が死ぬ時期はプログラムされているのです。
(動物が成長するときに、このように体がかわっていくことを変態と言います。)
自然に細胞が死ぬように見えますが、実は、細胞が「何回分裂したら死ぬ」とプログラムされているのです。
このようにプログラムされた細胞の死をアポトーシスとかプログラム細胞死と言います。
先アポトーシスでは、図のように、細胞は縮み、細胞が断片化され、小さな粒粒になります。その粒粒は、貪食細胞(マクロファージ)が、貪食(お掃除)してくれるので、跡形もなくなり、その細胞の部分がポッコリ穴が開いたように見えます。決して隣や周りの細胞に迷惑をかけることなく、「一人静」に死んでいきます。
はっきり言って、きれいな死に方です。
私達は約60兆個の細胞からできています。細胞の「死」は、私達の体の中では、日常的な出来事です。
「生きる」ということは、「死」を上手く取り入れるということです。
生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。--その答えは既にプログラムされている!
長く生きて年を取った細胞は、いろいろな異常・傷害が溜まってきます。
よって、身体が正常に「生きることを維持するために、古い細胞を除去」します。
この除去するメカニズムがアポトーシスです。
(温熱療法で細胞が死ぬのも、アポトーシスです。)
一方、火傷や外傷のように、高熱で細胞が破壊されたり、細胞が傷ついて死にいたる細胞の事故死を壊死と言います。
熱や圧等がかかり、細胞が受動的に死ぬ壊死では、図のように細胞は膨らんで破裂します。破裂すると細胞の中から様々な酵素や炎症性物質が流出し、周り一帯の細胞が炎症を起こしたり、酵素で分解されたりと被害を受けます。
よって、破裂して壊死した細胞の周り一帯が壊死地帯となります。
「安全地帯」、そんなロックバンドがありますが、まったく違う「危険地帯」です。
はっきり言って、周りの細胞は、大きな迷惑です。
**二人静: 両口屋の和菓子に「二人静」という干菓子があります。1箱入りは「一人静」かと思っていたら(通常は2箱入り)、1箱でも「二人静」でした。でも、疲れた時に、1人で、「二人静」を口に含むとシンプルな甘さで「一人静」にホットします。やっぱ、「一人静」ですね。二人では静かになれませんね。
-------最近は学生にも聞いてもらえず、ダジャレは、ブログで排出!
(両口屋の「二人静」の名称は、正しくは、花の名前からつけたようです。)
花としては、
「一人静」は、試験管を洗うブラシみたいで、実験の器具洗いを思い出します。
「二人静」は、2つに分かれた1本と1本が、ちょうど良い距離をおいて慕い合っている感じです。
交わらないとこがいいですね。やっぱ、恋愛もある程度距離おいたほうが、いい感じですよね。
(試験管ブラシ)
「一人静」 野の花のお気楽日記より
「二人静」 季節の花300より