ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)ヒートショックプロテイン(HSP)

 

私は、ヒートショックプロテイン(HSP)の研究者なのでHSPのニュースには気をつけているのですが、最近、にわかに人一倍感受性の強い人Highly sensitive person(HSP)HSPが話題になってきました。芸能人や著名人にHighly sensitive person(HSP)の人が多いということで、大変注目を集めています。きっと、みなさんも興味があると思います。また、ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)病気ではありませんが、両者のHSPを混同しないためにも、少し解説したいと思います。

 

ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)とは、

 1992年アメリカ心理学者Aron先生が考案した言葉で、非常に刺激に敏感すぎる特性を持つ人を言います。

HSPは気質(生まれつき持った特性)で、病気ではありません。自己肯定感が低く、他人に共感しやすく、自分が悪いと感じやすく、ストレスを抱えて心が疲れやすいので、深刻化すると、“うつ”にもつながる可能性があります。

HSPは、脳の扁桃体を中心とした不安の神経回路の反応が高まり易く、前頭葉皮質の抑制が高まり、不安・恐怖の神経回路が過剰活動しやすい状態と言われています。最近ではHSPの人を繊細さんという呼び方で呼ぶこともあるようで、約5人に1人がHSPと考えられています。日本人のABO式血液型の割合は、ほぼ、A40%、O30%、B20%、AB10%ですので、HSPB型の割合くらいで、AB型より2倍も多く、そんなに希ではないということです。

子供時代のHSPのことを、HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)といい人一倍敏感な子供で、警戒心や不安が強く、驚きやすく、騒がしい場所を嫌がり、学校が苦手と感じる要因の1つとなり、不登校になることもあるようです。保健師、幼稚園・学校の先生などまだ周知されておらず、発達障害、敏感すぎて大変な子、と思われがちですが、本人にあう環境が整えば、才能あふれる豊かな面が出てくるとのことです。親の育て方のせいではありません。

周囲ができること

・本人お敏感な気質を理解し、認めてあげる。

・本人にあったやり方やペースを尊重してあげる。

・落ち着ける場所や時間を準備してあげる。

(毎日新聞生活報道部記事参照)

 

昨年は、ほとんど話題にもなっていなかったのですが、特に、“芸能人が”ということになると、あっという間にハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)HSPが注目を集めました。敏感すぎる特性を持つ自分に悩んでいた人にとっては、“私はHSPかもしれない”、“私はHSPだ”ということがはっきりして、これを転機に自分を見直せるチャンスかもしれません。

Aron先生は、4つの特徴(DOSE)に当てはまる人がHSPであると定義しています。

(心療内科医・子育てカウンセラー明橋大二先生著書参照)

1DDepth of processing):深く考える

HSPの人は他の人に比べて感覚データをより深く、かつ徹底的に処理する傾向にあります。

2OOverstimulated):刺激を受けやすい

視覚や聴覚といった五感や、他人の感情・雰囲気などから過剰な刺激を受けやすい性質を持っています。

3EEmotional reactivity and high Empathy):共感力が強く、感情の反応が強い

HSPの人は、他の個体に対する共感力が高く、容易に感情移入しやすい傾向にあります。

4SSensitivity to Subtle stimuli):小さな刺激に対する感受性が強い

ちょっとした変化や刺激に対する反応が強く、ささいな音や匂いが気になる、他人の表情の微妙な変化から感情を読み取るなどの能力に長けています。

 

HSPの傾向として、

・自分をせめて否定してしまう

・相手が望む通りにしようとして疲れてしまう。

・小さなミスでも激しく動揺してしまう。

・結果を出そうと張り切りすぎてしまう。

・相手の感情に左右されすぎてしまう。

HSPは悪いことばかりでなく、

ポジティブにとらえていくと逆に、HSPが強みとなる場面はたくさんあります。

自分がHSPかもと考えた方は、自己分析をして自分のことを理解し、そのうえで、それを個性と捉えて、活かしてみてはどうでしょうか。

HSPの長所

これまでHSPは「人よりも敏感な生まれつきの気質」と言われてきたので、短所のように思えるかもしれませんが、素晴らしい長所でもあります。

・本質的なものを探究することができて、多角的に物事を捉えることができる

・相手の小さな変化に気づくことができ、相手のために行動ができる

・映画や音楽などでも作品に対して深く感動することができる

・相手の気持ちに寄り添うことができる

・周囲の状況をよく観察してるので、環境変化に対応しやすい

このような長所を活用し、仕事や交友関係で能力を活かすことができるでしょう。

研究職、芸術家、介護・医療・教職関係、カウンセラーなどの職業に向いている傾向にあると言われています。

HSPが社会生活を送る上で必要なこと(HSPの生きにくさの軽減)

1.境界線を引く:人は人、自分は自分という境界線(物理的境界、心理的境界、社会的境界)を引く。

2.休息を取る:疲れやすいのは、心の疲れの蓄積。意識して休息を取る(嫌なこと・疲れることだけではなく、楽しいことも刺激が多いので、疲れの原因になることもあります)。

自分はHSPかも?と思ったら、最後に記載した日本版HSPスケールHSPS-19でチェックしてみてください。

 

ちなみに、バンダナ先生は、Yes10個でぎりぎりHSPの可能性あり。職業は研究者でHSPにぴったり、愛知医大では、細胞やねずみやうさぎとの会話くらいで、ヒトとの会話のない日も希ではなかったし、なんといっても極めつけは、大学受験の失敗はまさしくHSP的。空気が読めないと(自分としては正義を貫いてきたつもり)言われ、多くの失敗を重ね今に至る。

 

自分もHSP(かもしれない)」「子供がまさにそんな感じ!」と感じたかたは、

是非、下段のヒートショックプロテイン(HSP)を読んで、HSP入浴法を試してください。

 

ヒートショックプロテイン(HSP)とは、

1962年イタリア遺伝子研究所Ritossa先生らが初めて報告しました。人をはじめほとんどの生き物が持っている、ストレスから自身を守るタンパク質のことです。
 どんな生き物もストレスを受けますが、ストレス社会を生き抜いていくために生き物に備わったサバイバルプロテインです。HSPには大きく4つの作用、①ストレス防御作用②免疫増強作用③分子シャペロン作用(タンパク質の補助・介添え作用)④抗炎症作用があります。

このHSPは健康の2大柱であるストレスを防ぐ+免疫力を高める作用を有しており、健康に大いに貢献します。また、自分で必要な時にお風呂で(HSP入浴法HSPを増やすことができるので、みなさんの健康に大いに役立てて欲しいとHSPHSP入浴法の普及活動を行っています。(詳細は伊藤要子のHPの内容をご覧下さい)

 

 HSPは脳(海馬)の神経細胞をストレスから守ることも知られており、“うつ”の予防・治療に有効であることが、動物実験、臨床研究で実証されています。HSPのみなさん“うつ”になる前に、HSP入浴法で予防しましょう!

HSP入浴中には、大声で泣いてもいいんです、より効果があります)

 

**脳の海馬は非常に繊細な部位で、ストレスを受け傷害されやすい場所です。記憶を司る重要な役割を担います。

「HPS」を見分ける19の質問

(アーロン先生らが開発したチェックリストをもとに作成された日本版HSPスケール「HSPS-19」のアレンジ版)

1.    強い刺激に弱い?

2.    人に影響されやすい?

3.    痛みを感じやすい?

4.    ひとりの時間がないとムリ?

5.    不快な刺激にうんざり?

6.    ひとりで考えることが好き?

7.    大きな音は嫌い?

8.    よくアートや音楽で感動する?

9.    自分らしくありたい?

10.  驚きやすいタイプ?

11.  “急ぎ” が大の苦手?

12.  いっぺんに頼まれるのは嫌い?

13.  周囲がせわしないと不快になる?

14.  職場の変化で混乱する?

15.  細かくて繊細なものが好き?

16.  いっぺんに起こると不快?

17.  混沌とした状況は嫌い?

18.  肝心なところで緊張する?

19.  子どものときから敏感だった?

 

10個以上のYesがあればHSPの可能性があることになります(※厳密な診断ではありません)。

Yesの数が少くても、それぞれが非常に強く当てはまっている場合は、HSPの可能性が高まるそうです。