No.20201212  新型コロナ・インフルエンザ・風邪の見分け方

今年の冬は、毎年流行するインフルエンザの心配だけでなく、なかなか収束を見ない新型コロナウィルス(COVID-19)と同時流行する「ツインデミック」の可能性も懸念されています。さらに、風邪にも気を付けなければなりません。新型コロナ感染症も、風邪やインフルエンザなどと同様に「発熱」や「咳」、「倦怠感」などが主な症状で、症状だけでこの3つを区別するのは実際には困難です。発熱するだけで「新型コロナウィルスに感染したのでは」と不安に思う方が多いと思います。

 

下記の新型コロナ・インフルエンザ・風邪の違いを参考にしてください。

・特にひき始めは一般の風邪、インフルエンザ、新型コロナの感染症状は区別がつかないことが多い

・発熱、咳、頭痛、だるさ、筋肉痛の症状は3者で見られる

・新型コロナとインフルエンザはどちらも呼吸器感染症なので、症状が似ている

・息切れ、嗅覚・味覚障害の症状は新型コロナに特徴的と言えるが、必ずみられるというわけではない

・くしゃみ、下痢、鼻水の症状は新型コロナでは少ない

 

原因ウィルスが違う:インフルエンザは、インフルエンザウィルスに、新型コロナは新型コロナウィルスに感染すると発症する。風邪も80%~90%はウィルス感染ですが、風邪の原因ウィルスは特定なものはなく、約10種(ライノウィルス;冬、アデノウィルス;年中、コロナウィルス;冬~春、RSウィルス;11~3月、バレインフルエンザウィルス;3~7月)あると言われている。風邪は、ウィルス以外でも細菌、マイコプラズマ、寒冷刺激でも発症する。

”体を冷やすと風邪をひく”の根拠寒さがライノウィルスに抵抗する免疫力を低下させ、風邪をひくリスクを増大させる

・ワクチンの違い:インフルエンザワクチンを接種したからといって、新型コロナや風邪を予防できるわけではない。それぞれを発症させるウィルスが違うので、2つまたは3つに感染する可能性もある。新型コロナウィルスワクチンに関しては、開発・治験がすすみ、順次認証されつつあり、接種可能となる日も近いが、副作用など心配な点もある。

 

新型コロナとインフルエンザの相違点

・潜伏期が違う:インフルエンザが1~4日、新型コロナが1~14日です。

・症状の持続期間が違う:インフルエンザでは1週間程度で改善するが、新型コロナでは2~3週間以上のこともある。

・感染性の違い:新型コロナウィルス感染症では発症する前にも他の人に感染をうつしてしまうことがあり、発症後に感染性のインフルエンザと大きく違う。

・致死率の違い:インフルエンザ;0.01~0.1%(年間1000万人が罹患し、1000人~10000人が死亡)、新型コロナ;3~5%が死亡

・治療薬の違い:どちらも抗ウィルス剤を使用するが、インフルエンザはタミフル、新型コロナはレムデシビル(WHOは否定的)など開発中