ヒートショックプロテイン(HSP)が、なぜがん患者さんに必要なのか?

   -HSPが、なぜがん治療に有用なのか-

 

マイルド加温療法やHSP入浴法で増えるHSPは、がん患者さんの免疫にとても重要なのです。

先日の講演会で、「私はお風呂は長く入れないけど、運動をしている、動きまわっている」と言う、自称何でもがん患者さん(いろいろな癌を経験した)にお会いしました。もちろん、運動でもHSPは増加するので、毎日の運動でもOKです。

1. HSPの生理作用

1HSPの生体防御作用(特にストレス防御作用)

 

癌患者さんの精神的、肉体的ストレスは、多大なものです。「がん告知」、「治療方針の決定」、「手術」「抗癌剤治療」、「放射線治療」、「治療費」、次々にストレスは加算されます。

そんなストレス状態に、ストレス防御作用のあるHSPを増加させるHSP入浴法、マイルド加温は、がん患者さんの心も体も温めると共に、HSPを増加させ、ストレス防御に役立ちます。

 

がんと診断され、検査している期間や、治療までの期間、何もしないで、落ち込んで、悩んでいる患者さん、まずは、自分にできるがん治療をはじめよう!

 

治療が始まるのを待つ間にも、自分のHSPを、免疫力を、増加させておこう!

1)手術や抗がん剤治療は身体にとって、大変大きなストレスです。

   手術日、抗癌剤投与日のストレス →疲労を少しでも軽減するため、HSPを増加させて手術、抗癌剤治療に臨もう。

2)がん治療の殆どが、免疫力を低下させます →HSPを増加させて免疫力を高めよう。

3)抗癌剤治療、免疫療法等のがん治療は →HSPが存在するとより効果が増強されます。よって、HSPを増加させよう。

 

   最初に、がん患者さんにとって、一番大切な免疫力についてHSPの免疫増強作用を説明します。

 

2HSPの免疫増強作用

HSP自体には、細菌やウイルスを殺す作用は、ありません、他の免疫細胞、リンパ球や、NK細胞や樹状細胞等の免疫力を増強する作用があります。

1)白血球の増加

 HSPの直接作用と言うより、マイルド加温、HSP入浴法で体温を上げる、温熱効果で、白血球は増加します(ルイ・パストゥール医学研究センター:長谷川武夫)。白血球には、好中球(侵入した細菌を殺す)、好酸球、好塩基球、単球(血管から外に出るとマクロファージと呼ばれる)、リンパ球(Bリンパ球(抗体を作る役割)、Tリンパ球(胸腺で分化し細胞を殺す役割))の5種類があります。病院では、細菌感染等の心配から、好中球の増減が重要視されますが、がん治療には、がん細胞を殺すリンパ球が重要です

 

2)リンパ球の増加

 マイルド加温では、白血球全体も増えますが、がん治療に重要なリンパ球が増加します(ルイ・パストゥール医学研究センター:長谷川武夫)。リンパ球の中でも、がん治療では、細胞を殺す、細胞傷害性Tリンパ球(キラーT細胞)が重要です。

 

 

3NK細胞活性の増強、NK細胞数の増加

 

NK細胞は、がん細胞のみならず、様々な病原体や異物を貪食して死滅させます。このNK細胞の活性もHSPが存在することにより活性が増強します。NK細胞の表面には、HSPが結合する部位(受容体)があり、そこにHSPが結合すると、がん細胞を貪食するNK細胞活性が増強します。また、NK細胞の数も増加するとも言われています。

 

4)抗原提示の増強作用

がん細胞には、各がん細胞の癌抗原(免疫物質MHC1と一緒になって)が細胞膜に存在します。乳癌の人は、乳癌の癌抗原、膀胱がんの人は膀胱癌の癌抗原が存在します。リンパ球の中の細胞傷害性Tリンパ球(キラーT細胞)は、これらの癌抗原を認識してがん細胞を攻撃します。しかし、この癌抗原が、しっかり細胞膜上に出ていなかったり、めだたなかったりすると、キラーT細胞は気がつかないで、す通りしてしまい、がん細胞は攻撃されず残ってしまいます。

 

この時、HSPが存在すると、癌抗原と免疫物質MHC1HSPが一緒になって(複合体)、がん細胞膜にニョキット出て、癌抗原の提示を強力にします。キラーT細胞は、強力に癌抗原を提示したがん細胞を見つけ攻撃して死滅させます。即ち、HSPはがんの抗原提示を増強するのです。

よって、リンパ球は、がん細胞を攻撃し易くなります。

 また、キラーT細胞のがんをはじめとする細胞の傷害活性は、35℃、37℃、そして39℃と体温が上昇する程、高くなります。

                                                      (札幌医科大学 鳥越教授)

 

即ち、体温を上げるマイルド加温で、キラーT細胞のがんを殺す活性が高くなるのです

 

 《体を温めると、HSPが増加して、がん細胞の抗原提示が増強され、キラーT細胞に殺されやすくなると共に、キラーT細胞の活性も増強し、よりがん細胞は傷害されやすくなる》 というわけです。

 

* 図2HSPの免疫増強作用)に書いてあるように、

  免疫とは、自己と非自己(自分でないもの)を見分け、非自己を排除することです。

 

 ・私たちは、60兆個の細胞から成ります。伊藤さんの細胞には、細胞膜に伊藤の印(自己)が付いているので、攻撃されません。

  加藤さんの細胞が、体内に入ってくれば、すぐに非自己(自分でない細胞)と認識し、排除しようとします。臓器移植の時、同じ(または類似)印を持たない臓器は拒絶されます。

 

がん細胞は、もともとは自分の細胞ですが、がんに変化して、癌抗原(印)を持っています。キラー T細胞は、がん細胞を攻撃しますが、もともとは自分の細胞(自己)だったがん細胞を、見誤ったり、攻撃しそこなったりします。

     また、もともとは自分の細胞だったがん細胞は自分の免疫系を熟知しているので、免疫システムの抜け道をくぐりぬけ生き抜いているので

   す。がん細胞は、結構、賢いのです。

5HSPの樹状細胞活性の増強作用

写真は本カバーよりのコピー

樹状細胞は、抗原提示細胞として働く免疫細胞です。がん細胞等の異物をとりこみ、その特徴を認識して得た情報(抗原)を

キラーTリンパ球に伝えます

この時、HSPが存在すると、樹状細胞は、更に強力にキラーT細胞に抗原を提示します。

 

6)癌ワクチン作用の増強

ワクチン療法:毒性を弱めたり、死滅させた病原体を接種して、リンパ球にあらかじめ記憶させ、その病原体の感染に備える療法。

がんワクチン療法がん特異性で、かつ強い免疫原性(抗原が抗体の産生や細胞性免疫を誘導する性質)をもつ物質

いわゆる癌抗原、がんペプチドを接種して、がんの予防や治療を行います。ワクチンの効果を高めるためにアジュバンド(免疫賦活剤)

が使われます。

 

がんワクチン療法において、HSPを使用すると、HSPがアジュバント効果(免疫賦活効果)を示し、がんワクチンの効果が増強します。

 

HSPは、(3)~(6)の免疫作用において、HSPが存在することにより、それらの免疫作用を増強する効果を有している。

よって、マイルド加温療法、HSP入浴法でHSPを増加することにより、免疫作用を増強することが出来ます。

特にがん患者さんにおいては、免疫力が低下していることから、これをHSPにより増強することは、重要な手段》 です。

 

HSP入浴法は、自分でできるHSP増加法**です。

**がん患者さんと言ってもその病態の程度はかなりの差があります。

・体が殆ど普通の状態、日常生活も普通にこなせる、回復期である、と言うがん患者さんであれば、通常のHSP入浴法で良いと思われます。

・ベットで横になっていることが多い、疲れやすい、でも入浴はできると言う癌患者さんは、多分、体温も低いので、自分の体温の1~1.5℃程上げる様に入浴して下さい。半身浴でもかまいませんが、肩が冷えないように、時々肩を沈める、肩カバーをする、蓋をくびもとまで付けるなど考案して下さい。しっかり、芯まで温まってください。体力が無いので、無理をしない(浴槽にかけて休んでも良い)。保温も浴室で行ってもかまいません。水分補給を忘れない。

 

 

 ※後日、がん患者さんのためのHSP入浴法、マイルド加温療法を記載したいと思っています。

 

 上記の記載(データー、図、文章を含む)を無断で、コピー・乱用することを硬く禁止します(マナーを守りましょう)。

 データー等必要の方、転記したい方はお知らせください、同意を得て出典先を明記してご利用していただきます。